自己推薦書
志望理由書の他に、自己推薦書という書類を求められることがあります。この書類の書き方がなかなか難しく、受験生たちの頭を悩ませているようです。しかし、そんなに難しく考えず、肩の力を抜いて取組んで行きましょう。
自分を推薦する
こんなことを聞いてしまうと、謙遜が美徳の日本人としては、少しひるんでしまいます。これは大の大人でも同じで、『何を推薦すれば良いんだ?』と、誰だって思うことでしょう。アメリカ人の男性は自分の奥さんを自慢するのに、日本人の男性は自分の奥さんの悪いところばかり言う…、まぁ、これは異文化なのですが、そんな日本社会に生まれ育った私たちには何とも難儀な課題です。しかし、それほど難しく考えなくても大丈夫です。
特別選抜入試のところでも書いたとおり、特別入試では、その受験者の過去と将来を評価するものであるということを頭に置いて考えれば、結論は出てくると思います。
自己推薦書って?
そう。
どちらかと言うと、自分の過去、推薦出来るようなエピソードをもとに、自分の事を書けば良いのです。
例えば、面接などでも質問されますが、自分の長所を聞かれた時、『私には集中力があります。』と答えたとします。その場合、当然理由を聞かれますが、『そのお陰で、部活動の○○大会で優勝しました』と答えたらどうでしょうか?その『集中力がある』ということに説得力が加わるでしょう。何も理由が無い場合とでは評価が全く違うと思います。
原則、これで良いのです。
難しいですか?
別に自分のことをタラタラと自慢するわけでもなく、過去に何らかの実績があれば、それを自己推薦書に書くようにしましょう。
それで大丈夫です。
私がエピソードでアピールするなら
1年の時のクラスメイトの中に個性的な生徒がいて、彼は今でいう『超映画マニア』でした。いや、『歩く映画』そのもので、ニックネームも『○○監督』でした。別に今でいう『秋葉系映画オタク』というわけでもなく、ダイアンレインをひたすら愛し、スティーブン・スピルバーグに嫉妬するような男でした。高校2年になってクラス変えで彼とは離れたのですが、その彼から面白い話が飛び込んできました。部員がいなくて潰れかかっていた映画製作研究部をのっとって(笑)映画を作ろうという話でした。今ではビデオカメラが思い切り普及し、CG技術なんてのも使えますが、当時はビデオカメラが数十万円する時代で、8㎜フイルムカメラが息を持っていた時代でした。3分間撮影するフイルムが1050円もし、夜間撮影用のフイルムだと1500円近くしました。それで90分の映画を撮ろうというのでした。めちゃめちゃやる気を起こして高2の文化祭上映目指して作った作品は学園もの映画でした。
その後のいきさつは省きますが、3年に進級すると同時に、今度はどんな映画を撮ろうか、ってことになりました。当時、『スターウォーズ』と『インディ・ジョーンズ』いう映画が流行っていました。そこで、スターウォーズとインディ・ジョーンズをミックスしたような映画を撮ろうって話になりました。
繰り返しますが、今でこそ、コンピューター全盛の時代で、最近公開されたスターウォーズの作品もCGで制作しています。しかし、かつてのスターウォーズシリーズは、プラモデルのミニチュアを作成し、巨大なセットを作り、合成技術を駆使した『特撮映画』だったのです。それを自分たちの手で作ろうとしたのです。何とも無謀なことをしたと思いますが、『作りたい』という情熱が仲間たちを鼓舞し、制作に取り掛かりました。
スペースコロニーのバーで銃撃戦をするのですが、その撮影のため、両親がスナックを経営する友人の店を借り切って銃撃戦を撮影しました。
宇宙要塞に入港して、到着ロビーで旧友と再会するシーンを撮影するために、某国際空港へロケに行きました。
街を歩くシーンを撮影するため、真夜中の渋谷でロケをしました。
ジャングルを歩くシーンを撮るため、ロケに行きました。
エピソードを上げればキリがありません。
廊下に、発泡スチロールと工作用紙で作ったセットを並べ、宇宙要塞の表面を再現します。そして、改造したプラモデルを糸で吊るし、宇宙要塞の上を飛行させ、それを撮影し、その後、フィルムを巻き戻して爆発とレーザー光線を合成します。
教室に宇宙船のコクピットを作り、そのセットで撮影します。宇宙船に乗り込むシーンを撮影するため、LL教室の机と椅子を取り払って、そこに巨大なセットを作ります。宇宙船の側面と、出入りするハッチを作り、撮影します。
夏休み、学校に泊まり込んでの撮影です。 別に『俺はスターウォーズマニアだ!!』なんて言っているわけではありません。普通に考えて無理としか思えないことに挑戦し、実行にうつした、それをアピールしています。
『おぉぉぉい、そろそろ帰りなさい。』って言いにきた先生が、教室に作られた宇宙船のセットを見て絶句してました。
宇宙要塞のトンネルのシーンを作っているとき、全く関係のない先生が遊びに来て一緒になって見学してました。
17歳のクソガキが、情熱のおもむくまま目標を定め、それに向かって行動した、その行動力のアピールです。
これが『自己推薦』です。
あげるエピソードは人それぞれ違うでしょう。それが自分自身にしか書けない自己推薦書につながるのです。
内容
まず、俗に言われていることは、自己推薦書のみを求めている場合と志望理由書の他に自己推薦書を求めている場合とがあり、それぞれ書く内容が違うということです。まぁ、よくよく考えてみれば、これらの場合によって書く内容が違ってくるというのが分かると思いますが、志望理由書の他に求められている場合は、志望理由以外に、自分に関する話題を書けば良いですが、志望理由書の提出が求められず、自己推薦書の提出のみの場合は、やはり、その内容に、志望理由に関する話題を入れた方が良いでしょう。
過去、自分がやってきたことで、志望先の大学・学部に関連のあることがあれば、そこで頑張った自分を書いて志望理由へと繋げるといいでしょう。
もし、自分に推薦するものが何も無ければ?
はっきりいってお手上げです。
そもそも、何もない自分を推薦しようとするのは、一般的に考えて、とても理解できません。もう一度、志望大学、及び、受験方式を検討することをお勧めします。
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村社会に住んでいる日本人は、自慢されるのが大嫌い。誰かの幸福を妬み、足を引っ張るだけの友達、クラスメイトとは縁を切ろう!